確定申告を終えた後も、いくつかの重要な手続きや確認事項があります。申告が完了したからといって安心せず、還付金の受け取り状況を確認したり、今後の税務管理をスムーズにするための準備を行ったりすることが大切です。ここでは、確定申告後にやるべきことを詳しく解説します。
1. 申告書の控えを保存する
確定申告が完了したら、申告書の控えをしっかり保存しておきましょう。これは、税務調査やローン審査などで必要になることがあるためです。
保存すべき書類
- 確定申告書の控え
- 青色申告決算書や収支内訳書
- 申告で使用した領収書や証明書(医療費、寄付金など)
- 申告受付の控え(税務署提出の場合)
保存方法のおすすめ
- 紙の書類はファイルに整理し、年度ごとに分けて保管する。
- スキャンしてPDFにし、クラウドストレージ(Google DriveやDropboxなど)に保存しておくと便利。
保存期間
- 青色申告の場合:帳簿や領収書は7年間保管。
- 白色申告の場合:帳簿や領収書は5年間保管。
2. 還付金の確認(還付申告の場合)
還付申告を行った場合、還付金が振り込まれるまでの期間を確認しましょう。
還付金が振り込まれるまでの目安
- e-Tax(電子申告):通常2〜3週間で振り込み。
- 紙の申告書を提出した場合:通常1〜2カ月で振り込み。
振込状況の確認方法
- **国税庁の「還付金処理状況の確認ページ」**で進捗を確認できる。
- 税務署に問い合わせることも可能。
還付金が振り込まれない場合の対処法
- 申告書に記入した銀行口座情報が間違っていないか確認する。
- 税務署の処理が遅れている可能性があるため、1〜2カ月経っても振り込まれない場合は問い合わせる。
3. 住民税と国民健康保険の通知を確認する
確定申告をすると、その内容が市区町村に通知され、住民税や国民健康保険の金額が決定されます。5月〜6月頃に送られてくる「住民税決定通知書」や「国民健康保険料決定通知書」を確認しましょう。
確認ポイント
- 住民税の金額が予想と大きく異なっていないか。
- 国民健康保険の保険料が適正かどうか。
- 副業収入がある場合、「住民税の普通徴収」を選択しているか(副業が会社にバレないようにするため)。
間違いがあった場合の対処法
- 住民税の金額が間違っている場合、市区町村の役所に問い合わせて修正申請を行う。
4. 追納が必要な場合は納税する
確定申告の結果、納めるべき税金がある場合は、期限内に納税しましょう。納税期限を過ぎると延滞税が発生する可能性があります。
納税期限
- 所得税の納付期限:3月15日(振替納税の場合は4月中旬)
- 消費税の納付期限:3月31日(個人事業主の場合)
納税方法
- 銀行やATMで納付(納付書を使用)。
- クレジットカード払い(国税クレジットカード支払いサイトを利用)。
- 振替納税を利用(口座引き落としで支払い忘れを防ぐ)。
延滞するとどうなる?
- 期限を過ぎると延滞税(年率最大14.6%)が発生。
- 一定期間放置すると、財産の差し押さえなどの措置が取られる可能性もある。
5. 来年の確定申告に向けて準備を始める
確定申告をスムーズに進めるためには、日々の記帳や領収書の管理が重要です。
やるべきこと
- 帳簿の整理を継続する
- 会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生会計など)を活用する。
- 毎月、経費や収入を記録し、確定申告前に慌てないようにする。
- 領収書や請求書をこまめに整理する
- 領収書はスキャンしてクラウド管理すると便利。
- 経費の支出はクレジットカードや銀行振込を利用すると管理しやすい。
- 節税対策を検討する
- ふるさと納税:年収に応じた上限額を把握し、計画的に寄付する。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):掛け金が全額所得控除の対象になる。
- 小規模企業共済:個人事業主の退職金積立として節税効果がある。
- 来年の申告方法を決める
- 白色申告から青色申告へ変更する(節税メリットが大きい)。
- e-Taxの利用を検討する(65万円の青色申告特別控除を受けるにはe-Taxが必須)。
6. 必要なら税理士に相談する
確定申告が複雑だった場合、税理士に相談することで、次年度の手続きがスムーズになります。また、節税アドバイスを受けることで、不要な税金を支払わずに済む可能性があります。
税理士に相談するメリット
- 正確な申告ができ、税務調査のリスクを減らせる。
- 節税対策の提案を受けられる。
- 面倒な手続きを任せられるため、本業に集中できる。
まとめ
確定申告が終わった後も、還付金の確認、住民税・国民健康保険のチェック、納税手続き、次年度の準備など、やるべきことがいくつかあります。これらをしっかり管理することで、税金の負担を減らし、スムーズな申告を続けることができます。来年の申告が楽になるよう、早めに準備を始めましょう。